トランプ大統領は、中国のByteDance社が所有するTikTokの米国事業売却を条件に、同アプリの米国における禁止を回避する合意に達したと発表しました。この合意により、TikTokのアルゴリズムが米国ユーザーデータを用いて再構築され、米国の投資家による新合弁会社が運営されることになります。
ホワイトハウス高官によると、この合意は、OracleによるTikTokのレコメンドシステムの監査と、米国ユーザーデータのみを用いたアルゴリズムの再構築を含みます。既に、既存の「プロジェクト・テキサス」を通じて、米国ユーザーのデータはOracleのサーバーに保管されています。この措置は、中国政府によるデータへのアクセスを懸念したものです。
新合弁会社は、サイバーセキュリティに精通した愛国的な投資家と役員を迎え入れる予定で、その価値は数十億ドルに上ると見られています。OracleやSilver Lakeなどの企業が、この合弁事業に参画することが明らかになっています。Oracleは近年、AI企業からのデータセンター需要の高まりを受けて急成長を遂げています。
しかし、この合意には懸念の声も上がっています。eMarketerのソーシャルメディアアナリスト、ジャスミン・エンバーグ氏は、アルゴリズムの変更がユーザー体験を損ない、ユーザー離れやアプリの価値低下につながる可能性を指摘しています。特に、米国版アルゴリズムが世界中のコンテンツとの接続を遮断した場合、ユーザーエクスペリエンスの悪化は避けられないとしています。
トランプ大統領は今週中に、この合意の詳細と、執行期限の120日間の猶予を定めた大統領令に署名する予定です。中国政府がこの合意を承認し、必要な規制措置に着手しているかどうかは不明ですが、ホワイトハウスは中国政府の承認を得たと確信しているようです。
Source: TikTok algorithm to be retrained on US user data under Trump deal



