ホーム ビジネスと財務 英AI開発、米巨大テック企業競争

英AI開発、米巨大テック企業競争

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マイクロソフトとNVIDIAが、英国経済に最大450億ドルもの投資を行う計画を発表しました。この巨額投資は、データセンターの増強と人工知能(AI)の研究開発を促進するものです。この発表は、トランプ前大統領の英国訪問に合わせて行われ、米英間のテクノロジー協定締結の発表と同時に行われました。

マイクロソフトは今後4年間でAIインフラに300億ドルを投資すると発表。これは同社にとって英国における過去最大の投資額であり、今回の英国への総投資額の3分の2以上を占めます。マイクロソフト副会長兼社長のブラッド・スミス氏は、バーチャルブリーフィングで「空虚な約束ではなく、英国ポンドでの真剣な投資だ」と強調しました。投資額の半分は設備投資に、残りはデータセンター事業者Nscaleとの提携などを含む取り組みへと充てられます。

一方、NVIDIAは英国におけるAI関連の研究開発に最大150億ドルを投資すると表明。こちらはインフラへの直接投資ではなく、CoreWeaveやNscaleなどのパートナー企業を通じて行われます。

さらに、NVIDIA、Nscale、OpenAIによる新たな合弁事業「Stargate UK」も発表されました。これはAIインフラのパートナーシップを通じて、英国の「主権計算能力」を強化することを目的としています。OpenAIは2026年第1四半期までに最大8000台のGPUを提供し、将来的には3万1000台にまで拡大する可能性があります。この合意の一環として、Nscaleはニューカッスルにあるコバルトパークなど、英国各地の施設の規模を大幅に拡大する予定です。コバルトパークは新たに指定されたAI成長ゾーンの一部となります。

NscaleのCEO、ジョシュ・ペイン氏は声明で、「今回のNscaleの歴史的な取り組みは、英国が米国のパートナーと協力してAIの未来を築き上げることができることを示しています」と述べています。

スミス氏は、マイクロソフトとNscaleの関係について「我々が資金を提供し、彼らがそれを活用する」と簡潔に説明しました。また、トランプ前政権からの投資要請はなかったと強調し、英国政府との協議は数ヶ月前から行われていたと述べています。

スターマー首相は、英国を「技術革新の最先端企業にとって最高の場所」にすることを目指していると述べています。今回の投資は、国内人材育成とAI分野における国際競争力の強化に向けた重要な一歩だと位置づけています。

なお、今回の発表に先立ち、Alphabet傘下のGoogleも英国のAI関連事業に今後2年間で68億ドルを投資すると発表しています。また、ハートフォードシャー州に10億ドル規模のデータセンターを開設しました。

しかし、電力供給の制約や適切な土地の不足などから、ロンドンは依然として課題を抱えています。英国政府は2024年9月にデータセンターを重要な国家インフラと認定しましたが、電力消費量の多さから環境への影響を懸念する声も高まっています。環境保護団体などは、データセンター建設の戦略の見直しを求めています。

Source: US Tech Giants Race to Spend Billions in UK AI Push

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