サンセバスチャン国際映画祭、スペイン語圏最重要映画祭のワークショップ企画「WIP Europe」と「WIP Latam」が、9月22日から24日にかけてバスク地方の都市サンセバスチャンで開催されます。今年は8つの注目プロジェクトが選出されました。
ラテンアメリカ部門「WIP Latam」では、メキシコの巨匠フェルナンド・エインベッケ監督が、ブラッド・ピットのプランBエンターテインメントが支援する新作「オルモ」に加え、新作「ハエ」も発表します。また、チリのストップモーションアニメーション作家デュオ、レオン&コシーニャ組は、「ウルフハウス」に続くファンタジー作品「果てしない疫病」を発表。他にも、フェルナンダ・トバル監督の「悲しい少女たち」、エステバン・オヨス・ガルシアとフアン・ミゲル・ヘラシオ・ラミレス監督の「私たちはもう5人いなくなった」といった注目作がラインナップされています。
注目すべきは、アルゼンチンの作品が15年ぶりに「WIP Latam」から姿を消したことでしょう。映画祭本編のアルゼンチン映画の上映数もわずか3本と寂しい状況です。
一方、「WIP Europe」では、ディアスポラ(離散)をテーマにした作品が目を引きます。マッシ・パルサイ監督の「恋人たちは一人寝する」は、ベルリンに亡命したイラン人男性を描写。一方、エライフ・ソゼン監督の「ヴェハ」は、長年海外で暮らした女性が故郷トルコに戻る物語です。ヨナス・バック監督は2021年のデビュー作「木と水」に続く2人芝居「眠りの中間地点」、ドイツ・ウクライナ合作のタチアナ・ムッチニク監督は、ロシア・ウクライナ間の緊張を喪失感を持つ家族を通して描く初の長編「2月、7日間」を発表します。
昨年の「WIP Latam」参加作品は成功を収め、「行き止まりの先」はベネチア国際映画祭で、「伝令」はベルリン国際映画祭で審査員賞を受賞しました。「WIP Europe」からは、「良い姉」がベルリン国際映画祭パノラマ部門で、「息をするように」がサンセバスチャン国際映画祭の新人監督部門で上映されます。「WIP Europe」には1万ユーロ(約140万円)、「WIP Latam」には3万ユーロ(約420万円)の賞金が用意されています。
Source: New Projects by Fernando Eimbcke, Jonas Bak and León & Cociña Amongst San Sebastián WIP Lineup



